滋味あふれる白山市グルメを食べ尽くそう!
海山里の変化に富んだ地形の白山市。ここでとれる食材は、日本海の魚介から米や野菜、山菜、キノコ、獣の肉まで種類も豊富で、美味しいものにあふれています。多々あるおすすめの中から今回は5つ取り上げ、白山市のグルメ自慢をしたいと思います。
フグの漁獲高1位の石川県
美川で「ふぐのおやこ料理」を堪能
古くから鰯や鯖などの魚の糠漬けを製造している美川地区。なかでもフグの卵巣の糠漬け「ふぐの子糠漬」が有名で、これは毒を持つゴマフグの卵巣を塩や糠に漬け込み3年をかけて発酵させ、その結果毒が抜けるという奇跡的な食品。石川県でしか製造が許されていない貴重なものです。美川では2021年3月から、名産のふぐの子と、漁獲高が全国1位にもなった石川県産のフグを合わせて「ふぐのおやこ料理」として提供を始めました。
ふぐのおやこ料理の基本は、ふぐの卵巣の糠漬け(ふぐの子)と石川県産のふぐ身を使い、美川地域内で提供することです。現在、日本料理幸庵、御料理こめや、料理旅館沢のや、なべ長、鮨美浜、大衆割烹五展の6店で、トラフグやマフグを使用したコースを提供。ふぐ身の弾力ある歯ごたえの造りや旨みが染み出る鍋料理、ムースのような白子の逸品、ふぐの親子茶漬けなど、上品な味わいが口中に広がります。
すべての店舗で予約が必要(2~4日前までに)。ただ、御料理こめや、鮨美浜、大衆割烹五展では、材料があれば当日も可能なので問合わせてみてください。
ブナの実やすす竹などを食す
グルメな獣たちの「ジビエ料理」
白山ろくの奥山にはたくさんの野生動物たちが棲んでいます。かつて冬は雪で埋もれる山里は食料が乏しく、タンパク源として熊やウサギ、ヤマドリなどを捕まえて食していましたが、戦後には生息数が少なくなり保護獣として捕獲が制限されたり、捕獲禁止になった動物もいました。ちなみに石川県にはもともと猪がおらず、30年ほど前から北上し現在は数万頭にも上っています。これらの獣害も激しく、毎年11月15日~3月15日の猟期に資格を持ったハンターたちによって熊や猪が捕獲されています。また、獣害駆除の対象として鹿と猪が指定されており、こちらは通年捕獲可能。これは生態系のバランスを取るためにも必要なこととされています。
近年ではジビエブームもあり、白山ろくのジビエ提供店が注目されています。各店が工夫をこらし、定番の鍋料理のほか丼や麺類にのせたり、カレーの肉として、また串焼きやしぐれ煮など、バリエーションも豊か。ジビエの肉は捕獲後きちんと処理されていますので、臭みがほとんどありません。むしろ、天然食材のみを食べている野生の熊や猪の肉には、やさしい甘みと濃厚な旨みが凝縮されており、さっぱりとした脂の味わいもクセになりそうです。
枕にもできるほどと語り継がれる
白山ろくの「堅豆腐」
石川県白山市、富山県南砺市、岐阜県白川村など、霊峰白山を取り巻く白山ろく周辺の集落に受け継がれる堅豆腐。起伏の激しい山道を持ち帰っても崩れないように工夫されたもので、重しをして水分を抜いていますので、通常の豆腐に比べて大豆の量が数倍多く、大豆の旨みが凝縮されています。
白山ろくには、堅豆腐の製造販売店直営の販売ショップや道の駅での販売、堅豆腐を使った料理を提供する食事処が点在していますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
また白山堅豆腐の食べ方は、そのまま1㎝程度にスライスしてわさび醤油で味わうのがおすすめ。煮物や田楽、揚げ出し豆腐、すき焼きに入れても美味です。
白山ろくのお店で味わうもよし、買って持ち帰って家族で食べるもよし、大豆の甘みとコクが口中に広がるヘルシーな堅豆腐をぜひどうぞ。
旧鶴来のご当地グルメ
「つるぎTKGY」
卵かけご飯(TKG)が話題になって久しいですが、白山市鶴来エリアに、卵かけご飯焼き(TKGY)が存在しているのをご存知でしょうか?平成22年(2010)に地域おこしのひとつとして提案されたグルメで、いわゆる卵かけご飯をかき混ぜて、鉄板で焼いてお好み焼きのようにして食べようというもの。米はもちろん地元産です。また、造り酒屋や糀店、醤油醸造店など発酵のまちをアピールすることも狙いで、卵かけご飯に鶴来産の醤油や酒、酢、糀、味噌などを使うことを決めています。
現在、TKGYの提供店は、和牛のすじ肉入りを鉄板で焼く「若竹」、老舗食堂の「みよしの」、人気居酒屋「おびし」、特製出汁がかかる「鶴のや」、和風オムライス風の「ごはん処かのや」、鶴来駅近くの居酒屋「おさと」の6つ。また、毎年10月第2日曜に開催されるイベント、「一六市」にも露店が出されます。
「白山そば街道」と謳われる
「白山そば」の聖地でそば三昧
平野部が少ない白山ろくでは、古くから米よりもそばの栽培が盛んです。なかでも鳥越地区は四方を山に抱かれて標高も高く、平地に比べて1日の寒暖差が大きいことや朝霧がかかることなどそばを美味しくさせる条件が揃い、実の中に旨みが閉じ込められた良質のそばが育っています。かつては白山ろくにはそばの専門店が少なかったのですが、30年ほど前から世の中のそばブームを受けて脱サラでの出店が増えたのです。今ではあちこちのそば店が切磋琢磨で味を競い、それぞれ自慢のそばを食べることができます。
そばの実を殻ごと挽いた挽きぐるみの田舎そばをはじめ、そばの実の芯だけを使う御前そば、二・八そば、荒挽きや細打ちなど、各店自慢の味が楽しめます。